自作の茶杓
茶道具は大方職人の作るものながら、竹の茶杓は割に簡単に作れる、極端にいうなら切り出し小刀一本に適当な竹さえあればよいのである もっとも、作ったからといって、人前で使って良いかどうかと言うのは議論があるが、それでも作れることは作れるのである 茶杓削り講習会などというのもあるから、そんなものに参加したり結構自己満足も出来るが、平成二十四年にはたくさんの実竹の材料を分けて貰う機会もあってちょっと嵌っているのである ということで幾つかの作品?のご紹介 |
孫の一歳の誕生日に削ってみた、古い万歳の銘の書かれた空き筒におさめる。一歳が萬歳までもの気持を籠めてかな。 |
上の竹が材料で良い風情の竹ながら節から先がうねって直しも難しい、樋も深いし、巳年の大蛇のイメージを頂くことにしました |
上の五季茶杓うち、「紅葉且散」の前身はちょっとひん曲がり、櫂先も常で無いものにと意識して削ったのですが、段々に気にいらず、手を入れ、竹を撓めて真っ直ぐにし、櫂先を少し削って落ち着いたものになりました。 竹の景色だけで十分な素材です。 |
日常使いに水屋に並べているもの、それでも銘をつけて遊んでます 「幽谷」深い樋で扱いに困るような材ですが、ちょっと芋の葉茶杓を意識してます。 「破邪」櫂先が剣先型に、まあ、破邪正剣なんて言葉もありますから。 「叢竹」わが宿のいささ叢竹で削ったものです。 「鵺」まあ、闇夜の烏の如き茶杓ゆえにと言うことです。 「櫂の雫」櫂やらオールをイメージしております。 「下萌」白竹のきれいな素材、節上に僅かの染みが景色となっております。 |
福岡の茶杓削り会に参加、参加の前から福岡で削るなら「つくし(筑紫)」だろうと「土筆」の銘を考えておりまして、当たった材とは関わりなく左様削ったものです。銘はだんご庵さんにお願いして、箱も書いていただきました。 その参加の勢いで「鈴掛」、「したたり」の二本を削りあげております。 「鈴掛」は山伏のそれの意味です。 この際に、たくさんの実竹の荒曲げしたものを分けていただいたのが茶杓削りマイブームのきっかけで、ここから上の画像は、「鵺」を除き以降の作品です |
「飄逸」「穏坐」は茨城沖で大きな地震があった日に、震源地に近い佐原に居て、鰻を食っている最中にグラっと来た。ここは香取神宮のお膝元、境内の地中に大鯰を押さえつけている要石から鯰めが逃げ出したかと懸念したものの無事帰宅、記念に削った二本。 瓢箪から逃げおおせた鯰だろうと「瓢逸」、安穏と茶杓を削っておられることの有難さを思い「穏坐」と銘したのであります。 |
「はつしほ」はまさに初削りのもので、益田屋の茶杓削り講習でのもの。 「知足」は茶箱用の短寸、「知」と「短」て見間違えません? 「☆布良」はカノープス、老人星とも呼ばれる星、寿老人をイメージ |