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西馬音内盆踊
'17 Aug 16
 秋田県羽後町西馬音内地区の盆踊りを見物して参りました
 最近では地方の様々な行事がテレビをはじめとするメディアによってフレームアップされ、 遠隔地での夜間の行事を見物するにはそれなりの伝手が無いと、人混みの中で動きが取れなくなったうえに 宿泊するにも四苦八苦という状況ですが、今回は幸いにも、その「伝手」を得る事が出来ました

 お囃子は笛、太鼓、三味線、鉦


 有料観覧席(桟敷)は各種あり
 私はお囃子正面の特別桟敷を手配して頂きましたために、お囃子が賑やかすぎた嫌いがあります
 お囃子を遠くに聴きながら見る踊りも格別です


 18:30から子供を交えた踊り(音頭)が始まります、小さな子は浴衣に手拭いの鉢巻きがお約束
 音頭は仲々前に進まない踊りで、何となく、「三歩進んで二歩下がる」て感じです


 浴衣には黒覆面の彦三頭巾が原則ですが、鳥追笠もあり
 男も女も踊りは同じ、浴衣も藍染めが伝統的な衣装とか、袖口に赤い裏を付け、 赤い扱きを長い垂れができるように左腰で結ぶ、それが揺れるのが結構というものだそうです
 男は赤い扱きを巻く事はせず、巾着を提げる事で垂れに代えるようです


 彦三頭巾は目の位置に合わせて穴を開けています、その穴がずれない様に手拭いの鉢巻きをするのだそうです


 端縫いとよばれる端布をつないだ様に見える衣装を着るにはそれなりの技量が求められる、先達の許しを得て 端縫い衣装の仕立てを依頼する、端縫い衣装の制作者も許しを得ないものは「まだ早い」と依頼を受けないという のが習いのようです
 黒の帯でお太鼓を作らずに垂らすというのが端縫い衣装の原則ながら、最近は華やかさが演出される事が増えてきて やや乱れているらしいです
 赤い扱きはお約束ながら、ときに白だったりもするようです


 西馬音内の踊りの特徴は、この手の形、加えて、手の反りと同じように、反りのきつい鳥追笠のように思います


 21時に休憩が入り、子供の時間は終わり、子供の写真を撮るために踊りの中に入ることが黙認されていたカメラマン (親のつもり?)も輪の中から退場
 踊りは「がんげ」に変わり、お囃子の調子は早くなりますが、踊りは音頭に較べゆったりした感じになります
 踊りも難しくなり、端縫いの踊り手が増えるのも尤もな事です
 この休憩時間に、がんげを踊るために道には篝火の脇に積んでおいた砂が敷かれます


 がんげでは、音頭には無かった回るという所作が出て来ますが、回るにはこうして左手で右の袂を取るのが一つのパターン


 回り方その2は、左袖口を左手でとり、左人差し指が伸びるというパターンです


 回りやすい様に、道には砂が敷かれています、回るときにこの砂がザザッと鳴るのもなかなかの風情です


 藍染めの踊り衣装、お願いして撮らせて頂きましたが、どうやら町の職員さんのようでした


 端縫い衣装は、貧しいゆえの端布でのお洒落という言い方で説明されていますが、多分そうでは無い様に思います
 端縫いの約束として左右対称にするとかいったお約束があるということは、生地がたっぷり無ければ出来ない相談、しかも仕立ては袷だというのですから、いくら東北の秋だと言っても辻褄が合いません
 こうして並べてみるとよく分かりますが、端縫いは普通の袷仕立て、浴衣は袖口の縫い上げの無い広袖になっています




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