きものの原点2(居合)

剣道をやっていると、昇段試験を受けて段位をもらいたくなる
そうすると、日本剣道形という「形」の試験が実戦の他に課せられる、 他に筆記試験もあるが、これは一夜付けで対応できる
形稽古は結構面白いが木刀を使ってやるので真剣みに足りない、そしてその原点は居合であるということで、形に魂を入れるべく などというほどのたいそうな物でもないのだが、ともかく居合も始めた
まあ、ある意味自己満足、自己陶酔の遊びみたいなものだが、 それなりに修練を積むと居ないはずの仮想敵がはっきり見えてきて 敵を切り倒すと倒れてゆく姿が見えたりという瞬間が訪れたりもする
ということにて、刀、下緒、手入道具(砥粉たんぽ、刀油、拭紙、目抜槌)
稽古着は流儀の白の上下と、演武用の紋付き(七分丈)と袴である
流儀は、夢想直伝英信流というが、近代居合は明治期に再興されたもので 維新のどさくさの中で途絶えたものを掘り起こし、あれこれと再構成 しているものがほとんどで、英信流もまた同様である

          居合刀と刀袋、まあ本身ですが
下緒は鞘に付いたものは稽古用の木綿、上にあるのは特注のもの
組紐屋も刀の下げ緒の注文なんてのははじめてだったらしい
後は手入れ用の砥の粉たんぽ、拭い紙、刀油、目抜き鎚



          演武用紋付・袴
演武用の衣装はポリで、貼り紋だが、ちょいと見にはそれなりに見栄えが するから、野点の席の手伝いの時などには便利に使えるということもある


          稽古着
白の袴はもう20年から前の話だが、当時剣道の袴を仕立てさせたら東京一 というばあちゃんが道具屋にいて、彼女に伝手をたどって依頼し誂えたもの
しっかりした生地で仕立てているから重いが、剣道のように飛び回らないから それでよいのだ
そういえば、職場の女性事務員のご母堂が籠手作りの名人であったらしく 結構注文しても長く待たされるような人気だったらしい、当然値段も大変な ものだったようだが、この袴はそう法外なものではない
もちろん、その上等な籠手の値段は仕事からすれば法外と言うことは無い


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