茶杓削り・黒文字細工
茶杓は竹を切って、適当に切り分けて、曲げて、乾燥させて、という段階を経て、初めてできる作業です。 この前段階の作業を飛ばして、削りの部分だけをやろうというので、茶杓削り、前段階を経ての遊びなら茶杓作りというべきでしょう。 で、今回は茶杓作りの材の用意やら、粗曲げやら 素材は大方頂き物の竹でして、まことに有り難く使わせて頂いております 曲げるには色々なやり方があるようで、伐った竹をそのまま寸法に切って、割って曲げてから乾燥するというやり方と、割るまではやって乾燥させてから粗々の形に下削りして曲げるというの2つが主なやりよう 今回は、割って乾燥させて置いた竹をある程度の下削りをして水に漬けること1週間、アクが出るので何度か水を代えてやります 櫂先を作るための曲げる位置あたりを削り込んで薄くしてやり、数時間今度は火に掛けて煮てやります そして、これを取り出して曲げ位置を火で焙り、エイヤッと曲げる 曲げたら、曲げの癖がきちんと付くように固定するのですが、ここでは2cmほどの直径の杉の丸い材・・実はきりたんぽの串・・に巻き付けるように曲げた部分を固定しました 二日ほども乾燥させるとこんな風に仕上がります こうして曲げた材をみると、真っ直ぐと言われている竹が結構ゆがんでいたりします。 それ故に小割した材をつらつら眺めていると、19本中6本が明らかに曲がっている ということで、茶杓を横方向に撓めてやる。 こんな具合に些か曲がりの矯正ができたようです これで自信を得た我が輩、今度はさらに茶杓の筒にと頂いた材、これは筒には私の技量では仕上げられそうにも無いと、その景色を生かすべく茶杓に仕立てることといたしました 裏から 意図したとおりの4ッ割にて、基本8枚が出来ました 茶杓になりそうなのは3枚、あとは菓子切りに整形します 身の側に拭き漆をかけて汚れ止めをしていあす 2016 Aug 11 で、茶杓削りにつかう工具はこんなもの。 片刃の通常の切り出し、 逆手に使いやすい様にと特注した両刃の切り出し、 それに船底と通常の平らな台の*豆鉋、 後は目の細かい*紙やすりといったところ。 そして削り台があると便利だったりします。 これは机の角などに引っ掛けて使います。 後は材料の粗曲げした竹。 そうそう、曲がりを調整するのに使ヒうーターなんてものも。 材料としては、他に筒にする竹、その蓋を作る杉材といったところ。 出来上がりはこんなものなります。 結構様になるものです。 そうそう、これらの工具を使って、黒文字の木の枝を使って細工をすると、これが黒文字になります。庭の黒文字の枝を剪っては作っております。 菓子切りに使うものと、やや小ぶりなものは爪楊枝といった具合です。 皮目をいたずらしての細工も結構面白いものです。 |