新盆棚
千葉県上総地方での盆行事で、新盆の盆棚は斯様に作られています
普段の盆棚は仏壇前または、仏壇に兼ねて設えますが
新盆棚は仏壇と対面する部屋の南に、あるいは部屋の西側に東を向けてというふうに
別の場所に作り、新仏の位牌だけを置いて、特別華やかに荘ります(臨機応変)
新盆棚については、7日頃に作って25日前後(26日とも)まで荘るようです
しかも、新仏は14日に迎えて、16日に送るということもあるようです
このあたり、決まっているようで案外そうでもないようで、人の出面とか曜日のまわりで
まあ、そんなところだなでもやらないと、回っていきません
2015 AUG 09
我が家で設える二度目の新盆棚です
在所にはさほど深い縁のあるわけではない新仏ですから、
大層な新盆棚を用意することはしておりません
高灯籠も、ミニサイズのものを二階の物干し竿に立てております
簡略化した新盆棚ということにて
例年の盆棚に紙の花を付けたくらいな事で新盆棚とします
また、棚の位置を仏壇脇から、90度回して西向きに変えました
これで、神棚の前があいて、エアコンの風の通りも良くなりました
なにせ、この時期は暑いですから、良い思いつきでした
お願いしておいた蓮の花も届きました
御供えもそれなりに整えて上げております
仏間の隣の床には今年から新登場の百観音霊場の納経軸を荘ります
2014 AUG 12
両親の新盆棚を吊って頂いたり、在所の棚吊りを一緒にやった方の新盆棚。
拙よりも若干年下、こういうのは切ないものです。
下の2012年の棚吊りでは大活躍でしたのに
画像では分からないかも知れませんが、五色の紙垂は市販のもので、
在所の流儀とはチョット違うようでしたが折角用意したものですから使います。
2012 AUG 12
そういうアバウトさもある中で、在所の隣組の棚吊りの手伝いに出かけました
12日ということが、すでにアバウトでしょ!
まずは、竹取からです、裏の山で今年の竹を伐ってきます、新盆の決まりです。
太い竹は高灯籠の支柱に使います
台になる机などに、支柱をビスで停めてしまいます
(当然、台には穴が開いたりしますが、田舎にはそんなにしても困らないものが
大事にとってあるのが当たり前みたいで、だれも気にせずにやっつけてます
青竹の皮で籠目を編んで、ひのきの葉を並べて棚の垣にします
青竹のひごを作って、半分程まで、赤青、青白、赤黄など二色のテープを巻きます
これが棚の天井を飾る馬簾となります。
紅白の花を馬簾に取り付けます。我々世代からすると、運動会か学芸会です。
馬簾の数は、棚の大きさにもよりますが、前に7本あるいは5本、横は様子を見て
という感じです。花の数もにぎやかにということで決まりは無さそうです。
棚の前面の鳥居と、横木にも色テープを巻いておきます。
鳥居の脚には萱を飾り、樒を付けるのが決まりらしいですが、
萱にほおずきもあり、今回は萱にミソハギでした。
前面の紙垂は4つ、ほおずきを間に飾っておきます。
棚が出来上がれば、棚経です
これは新仏を迎えるよりも棚そのものへの経の意味があるようです。
直会の最中に大慌てで住職がやって来てお経をあげました。
これは高灯籠
他に、七本塔婆といって、青竹の灯籠を墓から辻辻に家まで建てるのだそうですが
わが隣組ではあるとき、これをやるのを忘れてしまってから、ナクテモイカンベエ
ということで、なんとなく立てなくても良いことになってしまったようです。
ちなみに、ブッテエともいうようでおそらく、仏提ではないかと思うのですが、
誰もどんな字をかくかなんぞに関心はありません。
2012 JUL
これは親戚筋の新盆棚などの設え、位置は、上総でも安房に近い南の方です。
高灯籠
新盆棚
新盆棚(側面)
2010/JUL/11
棚を吊る場所が変わり、多聞庵にての棚吊です
作業は前回とほぼ同じ方々にお集まりいただいています
前回の施主が今度は迎えられることとなった棚吊ですが
送られてほぼ1年、一周忌も終えてからの新盆の棚吊です
本来、わが在所では8月盆ですから、棚吊もその時期にするのですが
檀家寺の住職にお勤めをいただくには、8月は忙しすぎるのです
そして、棚吊をお願いするにも、その時期ではみなさん忙しくて
在所を離れての棚吊はなかなかに難しいという事情もあります
ということで、7月の新盆棚吊で新仏を迎え、8月にはノーマルの
お盆行事で先祖の霊迎えですから、新仏は行ったり来たり大忙しの
日程になるということになるわけです
出来上がった棚は、前回のものとさほどに変わった風もないのは
作ったメンバーが変わらないからで、すべてが口伝というか、見聞し
ながらの、伝承的なものだからで、その場その場での思いつきやら
いかようにも、おおらかに対応するようです
天蓋のように広げられた竹骨は、「馬簾」とよぶようです
2004/Jul/12
出来上がりはこんな風になります
この設えは、新盆の近所の組内が相互扶助の形で行います
作り終わると、長老格が先達となり、お経を上げて完成とします
1.テーブルなど適当な台を基礎にして、茣蓙を掛け、四隅に青竹を建てます
2.竹籤に青赤のテープを巻き、花荘り、鳥居などに使います
3.青竹の皮で編んだ「籠目」、青竹など
4.檜葉は棚に籠目で垣を作り、それに植え込みます
いろいろ、取りそろえるべきものがありますが、主なものです
張り巡らせた注連に色とりどりの紙垂、ほおずきをかざります
紙垂は、ちょっと複雑な作りになっています(下図参照)
これで大体完成です
普通の紙垂と同様に、交互に切り込みが紙の高さの2/3ずつ3箇所
そして中央に入れた切り込みに添って幅を狭くもう一箇所
普通の紙垂のように折り返してゆきますが、狭い幅のところは、山谷に
折り返して、最後の段の飾りにします
飾り紙垂の展開図(2012年訂正)
紙のサイズ、形状は臨機でよろしいようで、五色であることは必須
ということのようです。ちなみに、在所では、五色揃いの色紙を
盆の前には盆用品の一つとして、売っております
2012年夏、この切り方がどうやら違うということで訂正いたします
最初に父親の新盆棚で下げてくれた紙垂はこう切ってあったと確認して
いますが、4つに切っているものの、4つに垂れていないというのが、
ちと不思議に思っていたのです、上記の切り方だと落ち着きます
使用色
緑 ・ 紺 ・ 白 ・ 赤 ・ 黄
5.庭には青竹を組んだ塔に「高灯籠」を吊します
棚の囲いは檜葉で行いますが、灯籠の天辺と横木の尖は杉の葉で荘ります
新仏が道しるべにするため、特に念入りに迎え火をするわけです
灯籠は白木製です
この豪華さは、長崎の精霊舟で新仏を送るのと同じように
新仏への懇ろな供養、併せて亡者たちへの布施の意味があるように思います