根付

  根付というと、せいぜい仲居さんが栓抜きの先にぶら下げていたり というチンケなものが大勢であったが、最近携帯電話というものが 流行にはやり、それと共に「ストラップ」という根付に似たものが これまた大変な需要であることご承知の通り
  また、それより前には、キーホルダーなどという同類と思しき ものがあった
とまれ、近年のものは大量生産品であるが故に その意匠様々なれど、なかなかに工芸品の域に達することはない
  しかるに、根付なるものは、今やその実用性が殆ど無くなり ながらも、少数のコレクターによってマニアックに収集されるという
(高円宮殿下のコレクションは有名)
「その世界では」という嗜好品であり、かつ高度な技術を要求される 工芸品ということで、骨董、新作を問わず結構良い値段のものとなっている
  私は、根付を収集するほどのことをしたらそれでなくても多い遊びが それこそ、「金が幾らあっても足りない」状態になってしまうから あまり興味を示すこともないし、つもりもない
  しかし、和服という特殊な(本来特殊でない筈ながら)スタイルを 生活の中に入れていると、どうしてもあった方が良い場合もないではない
  ということで、いくつかまともな根付もあれば、看做して使うものもあるが 根付の世界では、どうも根付として生れたもの以外は評価されないようである
いや、別に印籠を提げることもなければ、煙草入れを使うこともないので そう数が欲しいわけでもない
  そんななかで、思い入れも含めてご紹介してみたい「私の根付」などである


玉取人魚 (象牙)



傘に鼠 (柘植)
 これがどういう題材としての意味があるのか?ですが案外にある意匠らしいのです、携帯ストラップとして普段使い
そして7年ほどが経ちまして目立つ欠けが出来てお蔵入り
 平成弐拾弐年にご縁があって、毘沙門天像を我が家にお迎えしました
その際に、毘沙門天についてネットで調べておりますと 毘沙門天の形のひとつに片手に傘を持ち、もう一方に鼠を乗せたものがあるとのこと
 毘沙門天(多聞天)は北方の守護神の他、商売繁盛、博打の神様でもあるとか、 この根付けもまたご縁があってのものと手に入れて何年もしてからの感慨




一寸法師(鯨の歯)   達磨(表裏別表情)(珊瑚)
★ 一寸法師は、長崎の生月の工芸品
長崎駅隣のホテルニュー長崎の土産物フロアの専門店でこれに目が行ったまま、買おうか買うまいかと1年以上迷っていた
とうとう長崎を去ることになったときもう一度会いに行ったらまだ、私を待っていた
これは連れて行くしかないと思い定めてちょっと思い切った買物をした

★達磨さんは、表がニコニコ笑っている表情で、ちょっと布袋様風、 裏は怖い顔して達磨さんというところ、実は無双の羽織紐の飾りであったが しっかりした珊瑚なもので重すぎて使いづらくやむなく根付代りとなった



▲▲▲さて、お立会い▲▲▲
  一寸流行った、妖怪根付 、フルタ製菓のおまけキャラメルについてます
  もうこのシリーズは発売を終了しましたが、この手の高品質のフィギュア製作の 得意な海洋堂という会社と、フルタ製菓の確執がこのシリーズを最後に 表面化したとかで、海洋堂はフルタとの取引を解消、フルタではこれから 海洋堂の精華をおまけに使うことが出来なくなったという因縁物であるのも 「妖怪」なるアイテム故に面白いお話かも知れません
とまれ、携帯のストラップにすると、軟質の材なので、傷も付かず最適です
  蛇足ながら、最近流行のおまけ菓子、かつてのグリコのおまけのように ちゃんと本体のお菓子(キャラメル)があって、ちょっとおまけがある というのとは異なり、おまけのおもちゃが主で、1粒か2粒の飴という ようになっている
  おまけが欲しいだけで、お菓子は二の次、極端にはおまけだけ取置いてお菓子は捨てて仕舞うという時代には合理的かも しれないが、だったら、お菓子なしで玩具で売るというのはいかがとも
思うのですが



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